Sgr V5114 =Nova Sgr 2004-1
2004 Mar 18  27h59m31s
25cm SCT + Cv04 + V filter  60sec×1
【転載】VSOLJニュース No.123
西村さん、いて座に新星を発見
著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

静岡県掛川市の西村栄男さんは、昨年もたて座に新星を発見されるなど、活躍されている天体捜索家のひとりです。今回、西村さんは、いて座に新星を発見されました。

西村さんは、3月15.82日(世界時、以下同様)に撮影した写真上で、9.4等の新しい天体に気付きました。12.82日に撮影した写真では写っていなかったので、たいへん急速に明るくなったものと推察されます。チリのW. Lillerさんも独立にこの天体を発見しています(17.342日)。米カンザス州のD. Westさんによる精測位置は、

赤経:18時19分32.29秒
赤緯:-28度36分35.7秒 (2000年分点)

です。いて座の弓の中ほどにあたります。過去の画像では、この位置から2"以内に18等より明るい天体(赤画像)はありません。赤外線やX線で明るい天体もなく、おそらく典型的な新星であろうと考えられ、IAU circularではNova Sagittarii 2004(2004年いて座新星)と呼ばれています。

ASAS-3自動撮影システムでは、この領域を3月12.38日に撮影していましたが、やはり天体は写っていませんでした。17.36日撮影の画像では、8.1等ほどの明るさで捉えられています。

これまで報告されている明るさは、

Feb. 26.38 >11.0r Liller
Mar. 12.38 >14.0V ASAS-3
12.82 >10.5p 西村
15.82 9.4p 西村
17.342 8.2:r Liller
17.346 8.2:r Liller
17.36 8.10V ASAS-3
17.489 8.38V West
17.556 8.1 Royer(米カリフォルニア)
17.631 8.5 Bedient(米ハワイ)
17.821 8.7 Pearce(オーストラリア)

*rは赤フィルター写真、pは写真、VはV等級、記号がないのは眼視。

です。現在、急速に減光している可能性があり、早期のスペクトル撮影が望まれます。

参考文献
IAUC 8306 (2004 March 17)
2004年 3月18日
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